久米けいすけのブログ


by kumekeisuke

人生論ノート

 このところほんとに猛暑ですね。いやもう何か仕事をするのが苦痛なくらい暑いです。まだ本格的な暑さに慣れていないこの時期が一番きついのかもしれませんが・・。

 昨晩のこと自分の本棚を眺めていると「人生論ノート」という150ページばかりの文庫本が目に留まりました。三木清という戦前・戦中の哲学者が書いた今風に言えばエッセイ集です。開けてみると線も引いておらずきれいなまま、きっと買っただけでこの本は読まなかったのでしょう。

 私は以前この「人生論ノート」を読んだことがあります。40年以上前のことでしょうが、兄の下宿で本棚の中から見つけて読んだ覚えがあるのです。昨晩また読み返そうとして少し目を通したのですが、その内容の高邁なこと、とても理解できるものではないと感じたものです。しかし40数年前私はこの本を読んだのです。そして結構感銘を受けた覚えがあるのです。

 その時は今よりもっと私には難しかったはずで、内容はほとんど理解できなかったと想像できます。よくぞこんな本を辛抱して150ページも読んだものと当時の自分に感心しました。きっとこんな本が読める教養人になりたいという強い願望のなせる業だったのでしょう。でもわからないなりになにか共感するものがあったに違いありません。

 今から思うに三木清さんの社会や人生に対する誠実さや批判精神、ヒューマニズムがわからないなりに若い私の心をつかんだのでしょう。思うにサリンジャーを読んだ時の感覚に近いものがあったのかもしれません。40年以上前の自分に思いを馳せるそんな時間でした。

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by kumekeisuke | 2018-07-15 13:36